企業は必ず「課題」を抱えています。「課題」とは「なんらか解決すべき困りごと」です。重篤な経営課題から現場の細かい困りごとまで、軽重様々な課題があります。全社的に既知のものもあれば、調査・分析で初めて分かるものもあります。現場からすると、できれば開けたくなかった「パンドラの箱」のような存在の課題たち。しかし、課題は改革施策(将来あるべき姿を実現するための、複数の具体的な実行テーマ)のインプットとなる、極めて重要なアイテムです。目を背けずに、網羅的に、大切に取り扱う必要があります。
今回は、これらの課題の取り扱い方についてお伝えします。
1. 課題を一覧化して括る
まずは、軽/重、既知/未知に関わらず、見つけた課題を一覧化します。一覧にすることの効果は、2つあります。
1つは、課題を括れること。一覧化された課題を眺めて「要は・・・ということに困っているんだな」とまとめられれば、それを見た現場から「そういえばこんなことも困っている」とさらに課題が上がるための呼び水になります。また、一気に複数の課題を解決できる施策のヒントも生まれやすくなります。
もう1つは「私の困りごとがちゃんと課題一覧に載ってる」と現場担当者に認識してもらえること。「現場の声をきちんと受け止めている」感は、改革プロジェクトにとって極めて重要です。その後の協力がグッと得やすくなります。もちろん、重篤度によっては、解決を見送る課題も出てくるでしょう。しかし明示的に俎上に載せて議論を重ねた結果の見送りであれば、現場担当者の納得度も高まります。
ケンブリッジで実際に使っている課題一覧は以下のようなものです。この課題一覧では、「課題エリア」という切り口で、課題を括っています。