炎上レベル3まで行ってしまうと、もはや、そのプロジェクトの当事者だけではリカバリーはおろか、リカバリー策を立てるための現状把握も難しいと言えるでしょう。なにせ「あと何が残っていて、どこまでやればいいのか」が全く見えてないわけですから、そんな状態で「現状把握せよ」というのは酷な話です。
それでも客観的に炎上っぷりを把握し、火消しの糸口を見つけるにはどうすればよいか、という考えから生まれたのが「炎上アセスメント」です。
現在ケンブリッジにある「炎上アセスメント」はシステム導入プロジェクトでの利用を想定しています。
「炎上アセスメント」の主要なポイントを2つお伝えします。
(1)炎上アセスメントは「現物主義」で行え
既存メンバーはもはや疲弊しきって、周りが見えていない状況になっています。ですから、彼らから過去の経緯やプロジェクトの品質についての正確な情報を得るのは難しい、もはや感想や感情を吐き出すことくらいしかできない、という前提に立ち、あくまでも「現物主義」、つまり、これまでに作られた資料にフォーカスする、という考え方でアセスメントを進めます。
資料への向き合い方は、以下の通りです。
・プロジェクトで作った資料は、最初に全部集め、目を通す。
・既存システムの資料
・新規に作った要件定義資料、設計資料、品質管理資料、プロジェクト管理資料
・資料が出てこなければ「出てこない」という事が重要な判断材料になる。
・資料がそもそも無ければ「無い」という事が重要な判断材料になる。
・資料を入手できなければ「○○一覧」を自分たちで作り、有無を明確にする。
・網羅性チェックの基礎資料となる一覧
・進捗把握の基礎資料となる一覧
・プロジェクト管理の基礎資料となる一覧
(2)炎上アセスメントはQCD+Cで進めよ
プロジェクトは「Quallity」「Cost」「Delivery」が大切ですが、炎上アセスメントではそれらに加えて「Contract(契約)」も精査します。今起こっていることが契約上、発注者と受注者(ベンダー)のいずれに責任があるのかを明確にしないと、リカバリーに向けたネクストアクションを取れないからです。
炎上アセスメント項目は以下の通りです。
項目名「1/2」はアセスメントの順番です。「1」は一次アセスメント、「2」は二次アセスメントで実施します。二次アセスメントは、一次アセスメントの結果を踏まえないと、その要否を判断できない項目です。