コンサルタントの秘伝帖
「すぐできる、ずっと効く」
第3回
 
「会議を時間内にうまく終える3つの工夫」
 
 
前回のメルマガで「会議には終了条件が必要」とお伝えしました。これを聞いたお客様からは「いつも会議の時間が足りなくなってしまう」「そもそも時間内に終える工夫はないか」といった不安や疑問をよくいただきます。そこで今回は、ケンブリッジが持つ「会議を時間内にうまく終えるノウハウ」のうち、すぐにできる3つの工夫についてお伝えします。
 
 
1. 会議の冒頭で時間割を伝える
 
参加者が時間をそもそも意識していないと、会議は時間通りに終わりません。
会議の冒頭、参加者に「何を、どれくらいの時間をかけて、議論するか」を伝えましょう。
 
ケンブリッジでは、必ずゴール(終了条件)、アジェンダ、時間割を参加者と合意して会議を始めます。
こうすれば「限られた時間内に議論を終えねばならない」とマインドセットできますし、「XXを議論するのに10分では足りないのでは」などのアドバイスも得られます。
 
もし、次々といろんなものを決め切っていくような会議をする場合、アジェンダを細分化することをお勧めします。例えば「100分でこれらの項目を決めます」と「1つ10分で、10個の項目を決めます」では、後者のほうが時間管理しやすいです。
 
 
実際にケンブリッジのセッションで使用したゴールとアジェンダ、時間割
 
 
2. タイムキーパーを置く
 
参加者と時間割を合意したら、いよいよ議論開始です。
しかし開始して10分も経つと、最初は時間を意識していた参加者も、議論に集中すると時間のことをだんだん忘れていきます。
 
ファシリテーターが議論をドライブしながら参加者に時間も意識させるのは大変ですから、参加者の誰かにタイムキーパーをお願いするとよいでしょう。各アジェンダの終わりの時間から逆算して「残り10分です」などと声をかければ、参加者は「そろそろ結論を出さなければ」など、時間を意識した行動に切り替わります。
 
タイムキーパーをお願いできない、あるいは「会議に水を差すのは・・・」という場合はタイマーを使うのもよいでしょう。最近はスマホアプリでも、学会発表やプレゼン用に複数のアラームを設定できるアプリがあります。ただし利用する場合は、冒頭で皆さんにお伝えすることをお忘れなく。
 
 
3.「このまま続けますか」と問いかける
 
あるアジェンダで議論が盛り上がり、どうしても時間が足りなくなりそうになったら「このペースだとあと5分で議論は終わらないかもしれませんが、このまま続けますか」と問いかけましょう。
 
よくある選択肢は以下の4つです。
  1. ペースアップして議論を終える
  2. 会議の全体時間を延長する
  3. 他のアジェンダをとりやめ、その時間を充当する
  4. いったん議論を終え、改めて機会を設ける
どの選択肢にするか、を全員で合意形成すれば、参加者が率先して議論を引っ張ったり、会議室の予約を延長してくれたり、議論の優先順位を決められたり、といった協力が得られやすくなります。なし崩し的に会議を延長するのは、参加者はもちろん、次に会議室を使う人たちにとってもよい振る舞いではありません。
 
すぐできる、ずっと効く。今回はここまで。
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