提案書を見るだけでは、なかなかスコアリングをやりきることはできません。例えば、実際のパッケージの使い勝手、質疑応答を通じたRFPへの理解度の高さ、安心してお任せできそうなプロジェクト・マネージャーか、などを確認するために、ユーザーとベンダーが直接対面するプレゼンやデモの機会を必ず設けましょう。ユーザーにはスコアシートを持ってその場に参加し、時間をおかずにベンダーを評価してもらいます。
特に現物(パッケージ)のデモは極めて重要です。RFPへの回答を見ただけでは、果たして本当に回答どおりのことができるのか、本当に「簡単にカスタマイズ可能」なのか、それはどういう画面で、どういうフローになるのか、容易にはイメージできないものです。
デモを成功させるために大事なことは、ベンダーがやりたいデモをするのではなく、発注者側が見たいデモを実施することです。
ベンダーに「パッケージのデモをやってください」とだけ伝えると、セールストークに長けた営業担当者から、そのパッケージの強み、特長だけがギッシリ詰まった「キラキラデモ」を見せられてしまいます。それだと選定のインプットになりませんし、ベンダー間の比較ができません。
ですからきちんと「発注者側が見たいデモ」をベンダーにあらかじめ伝える必要があります。そのために、RFP作成と並行してデモシナリオを作成します。ここで活躍するのが、メルマガ第13号でお伝えした
「将来業務のプロセス」です。とはいえ全ての業務プロセスに対するデモを見ることはできませんから、自分たちの業務におけるメインプロセス、自社の特徴的なプロセス、今のシステムで苦労しているプロセスなど、重要な部分に絞ってシナリオを作りましょう。また、デモは、プロジェクト・マネージャーになる予定の方にしてもらいましょう。説明のわかりやすさ、質問への切り返し方などから、これから一緒にやっていけそうな人物か、を見極めることができます。