「計画策定期」には、プロジェクトチームが結成され、本格的な検討を始めます。これまでのメルマガでいうと「
調べただけの調査、示唆のない分析はやめよう(第3回)」「
課題から目を背けるな(第4回)」「
施策は出し切ってから絞り込め(第5回)」の内容にあたります。誰も答えを持たず手探りでプロジェクトを推進していくため、関係者が徐々にモヤモヤし始めます。
【プロジェクトメンバーのモヤモヤ】
・このまま現状調査を進めて、本当に変革できるだろうか?
・施策を作ったが、本質を外している気がする・・・
・あの人をプロジェクトに巻き込まなくて大丈夫だろうか?
【カウンターとなる関係者のモヤモヤ】
・時間を取られて困る・・・
・私の仕事がなくなるんじゃないだろうか?
・こんな施策を打っても、どうせ何も変わらないよ・・・
こうしたモヤモヤは、最初は水面下でくすぶりがちです。特に、常に顔を合わせるわけではない関係者のモヤモヤは、なかなか表には出てきません。関係者本人ですらモヤモヤした次の瞬間「んーまぁでもいいや」と見過ごしてしまうほどです。しかしこの「まぁいいや」が曲者で、プロジェクトを進めているうちに徐々に火種となり、最後は爆発します。「これ以上私の時間を取らないでください!(もっと早く言ってよ・・・)」「だからうまくいかないって言ったじゃないですか(いや、そんなこと言ってなかったよね?)」ここまで来てしまうと、もはやその人は立派な抵抗勢力です。
このモヤモヤを、ケンブリッジでは「隠れた抵抗」と呼んでいます。いかに隠れた抵抗を見つけ出し、顕在化して手が付けられなくなる前に、真摯に向き合うか。これが極めて重要になります。
「隠れた抵抗」を見つけやすいのは、なんといっても関係者と相対している会議の中です。会議を進めながら、とにかく参加者をウォッチしましょう。違和感やモヤモヤが表情や態度に出ていないか観察し、少しでも「あれ?」と思うような仕草があれば、すぐさま「何か違和感がありますか?」「もしかして、この進め方は微妙ですか?」などと声をかけてみましょう。「そうですね、たいしたことではないんですが・・・」と違和感を言語化してもらえれば大成功です。仮にこちらの勘違いで、参加者が何も違和感を持ってなかったとしても「きちんと違和感を拾おうとしていますよ」という意思表示ができるので、これもまた参加者にとっての安心感につながります。
以下の表は、違和感の兆候の現れ方の一例です。ぜひ参考にしてください。